ニューアルバム
Brisa
2025年 6月27日発売 🎵
Brisa(ブリーザ)
78 lebel 2025年6月27日発売
Musicians
城戸夕果(Flute, Alto Flute)
伊藤志宏 (Piano)
コモブチキイチロウ (Bass)
岡部洋一 (Percussion)
Guests
EPO (Voice)
JOYCE MORENO (Vocal)
LULA GALVÃO ( Guitar)
収録曲
1, Brisa (城戸夕果)
2, Joana Francesa (Chico Buarque)
3, A Felicidade (A.C.Jobim)
4, Anos Dourados (A.C.Jobim)
5, Choratina (Johnny Alf)
6, Desde Que o Samba é Samba(Caetano Veloso)
7, Para Vocês Com Grande Carinho (Hermeto Pascoal)
8, Maninha (Chico Buarque)
9, Eu e a Brisa (Johnny Alf)
曲についてご紹介させて頂きます。
1. Brisa (ブリーザ )作曲 城戸夕果
ポルトガル語で、そよ風という意味があります。今回のアルバムのレーベルを主催されている人気小説家、今野敏さんの「海風(かいふう)」という本に登場する新進の幕臣たちのポジティブな姿に感動し、インスパイアされて出来た曲です。
2. Joana Francesa (ジョアーナ フランセーザ )作曲 Chico Buarque
この曲は、フランスとブラジルで共同制作された映画の劇中歌のために作られたそうです。歌詞は、フランス語とポルトガル語で書かれており、一部はどちらの言葉でも読めるような巧妙なフレーズが盛り込まれていて、なんとも耽美的な歌詞です。今までの自分の録音では経験のない退廃的で耽美的な雰囲気で演奏したいとメンバーに伝えたところ、こんなに素敵な録音になりました。志宏さんのソロもコモちゃんの美しい音色のベースソロも素晴らしく、メンバーの想像力と音楽性に感謝です。
3. A Felicidade (ア フェリシダージ) 作曲 A .C . Jobim
「幸せ」というタイトル。この曲のサビ部分の歌詞【悲しみには終わりはないけれど、幸せには終わりがある】という有名な一節がある大好きなボサノバの曲のスタンダード曲。この曲を、ブラジルを代表するギターリストの一人、Lula Galvãoをゲストに迎えて、ピアノの志宏さんと3人で演奏しました。Lulaとは、もう30年以上のお付き合い。私のブラジル録音のアルバム3枚には全て参加してくれています。90年代の前半には、リオでリハーサルをしたり、Lulaの曲も録音したり。志宏さんのピアノで、さらに躍動感のある録音になりました。
4. Anos Dourados (アーノス ドゥラードス) 作曲 A .C. Jobim
EPOさんの、天から聴こえてくるような美しく温かい歌は本当に魅力的です。「黄金の歳月」というタイトルのこの曲。ジョビンが、テレビドラマのために作曲し、彼がシコ・ブアルキに歌詞を依頼したところ完成が間に合わず、テレビ放映時にはインストで流されていたという逸話のあるこの曲を、EPOさんに、敢えて歌詞ではなくVoiceで歌って頂きました。
この曲は、「海にポワンと浮かんで波にたゆたいながら、甘かったり苦かったりの黄金の歳月を回想するような雰囲気」というイメージでアレンジしました。みんなの演奏は、まさに南の海に連れて行ってくれるような演奏!Lulaのギターソロも素晴らしくてウルウル!フルートのアレンジは、たゆたう雰囲気が出ればと思い、アルトフルートとフルートでふんわりと。
5. Choratina (ショラチーナ )作曲 Jonny Alf
ボサノバはジャズの影響を受けたのか/受けなかったのか・・という事は日本だけではなく、ヨーロッパ、アメリカ、そしてブラジルでも話題の(議論の?)対象になっているようです。
ボサノバ誕生にまつわる重要人物であるジョニーは、アメリカのジャズが大好きで、ボサノバをクリエイトした多くの巨匠達が出入りしていた「フランク・シナトラ&ディック・ファルネイ ファンクラブ」という集いに彼も若い頃通っていたそうですが、そんな場を過ごしてきた彼は、「ジャズとボサノバは無関係ではない」と、よく語っていました。ジョビンやジョアン・ジルベルトにも影響を与えたと言われている、ジョニー・アルフ。幸運なことに彼のバンドのメンバーとしてブラジルでツアーなどをご一緒し、多くを学ばせて頂きました。
ブラジルには、サンバが生まれるよりも以前にヨーロッパのダンスミュージックの影響を受けた「ショーロ」という音楽があります。このショラチーナは、ジャズに強い影響を受けたジョニーのショーロ風の曲です。伝統音楽の枠に収まりきらない魅力のあるこの作品を、今回ぜひ録音したく選曲しました。
イントロ部分の見知らぬ世界に連れて行ってくれる様な、岡部さんのパーカッション!(3拍子と4拍子と5拍子を合わせたリズムだそうです。しかもアフリカの楽器も使い、黒人であるジョニーさんを意識して作られたそうです。) Johnnyに聴いて欲しかったです。
6. Desde que o samba é samba (デスジ キ オ サンバ エ サンバ )作曲 Caetano Veloso
「サンバがサンバであった時から」という意味のタイトル。この曲の歌詞は、サンバ、そして音楽への愛に溢れています。Lulaのアレンジで、エンディングには、ブラジル土着のテーマなどをふんだんに使用したブラジル最大のクラシック作曲家ヴィラ・ロボスのハープ・コンチェルトのフレーズが使われているところなど、もう美しくて(涙)。
7. Para Vocês com grande carinho (パラ ヴォセス コン グランジ カリーニョ) 作曲 Hermeto Pascoal
「あなたたちに 大いなる愛を」というタイトル。エルメートと言えば、ブラジル音楽にとどまらず、ジャズでは、マイルスとの共演でも有名な素晴らしいミュージシャン。
ブラジルでも数回お目に掛かる機会があり、彼のバスフルートを吹かせてもらった事があります。
ボストン在住時、名門NEC(音楽大学)での名誉博士号授与に来訪したエルメートの楽屋に数人でお邪魔したところ、目の前でエルメートがたった 16分で書き上げ、プレゼントしてくださった曲です。
今回のレコーディングの1日目は、スタジオ機器の接触不良が解決せず、この日の録音は全て、メンバー全員のモニターが壊れていた過酷な状況であったにもかかわらず、「あうんの呼吸」で素晴らしい録音になったのは奇跡だったと思います。メンバーのみんなに本当に感謝です!
8. Maninha (マニーニャ) 作曲 Chico Buarque
ジョイスさんのファンになって、もうどのくらい経ったのでしょう。
彼女と最初に録音したのは、「リオ・スマイルズ」というアルバムに、ドラムスの吉田和雄さんの紹介で参加して頂いた1992年。その後、私のアルバム「Lulu」にも参加して頂きました。そしてジョイスさんの作品「Ilha Brasil」や「João Donato songbook」に参加させて頂いたり、プライベートでも、たくさんの思い出があり、その都度、彼女のキリッとした横顔と可愛らしい素顔に魅了されています。そのジョイスさんが歌う、この美しい曲。
志宏さんのピアノと彼女は、初めてなのに息がぴったり!
さて、作者のシコの父は、ブラジルを代表する歴史学者。そんなインテリの家系で育った影響か、シコの歌詞は、厳しかったブラジルの政治情勢なども暗示するように描いた、意味深な曲も多く、音楽だけでなく作詞家としても大変評価されています。
私がブラジルの大学でポルトガル語を学んでいた時も、シコの歌詞は、詩自体が優れているからでしょうか、よく授業で取り上げられていました。
この曲の歌詞は、弟と姉が、幼少時代の思い出話をしているような会話の形をとっていますが、1964年~1985年の間続いた軍事政権による厳しい弾圧などを暗に批判する内容にもなっている(しかし、さっと聴くだけではそうとは分からない)、そんな手の込んだ曲です。
9. Eu e a brisa (エウ イ ア ブリーザ )作曲 Johnny Alf
「私とそよ風」というタイトル。ブラジル音楽の歌詞は、「人生を語る」と言われていますが、この曲の歌詞もジョニーらしい心に響く歌詞です。
歌詞の概要は、自分のところに流れてきたそよ風に、心の痛みや孤独を打ち明け、もしこの風が、自分と一緒に残ってくれる人を連れてきてくれたらなんと幸せか、と語る内容です。
この切ない歌詞は、ジョニーと一緒に演奏していたあの頃よりも今聴く方が、より深く理解できる気がします。
志宏さんの美しいイントロは、春の音だそうです(録音は、3月に行われました。)
Lulu(ルルー)
Toy'sFactory 1999年
Musicians
Yuka Kido(Flute, Alto Flute, Piccolo), 笹子重治(Guiar), 八尋洋一(Bass), 岡部洋一(Percussion), 大石学(Piano, Fender Rhodes),香取良彦(Marimba), Joyce Moreno(Vocal), Milton Guedes(Harmonica)
Lulu
収録曲
1, Lulu(城戸夕果)
2, Feminina(Joyce Moreno)
3, Boca de Ré(城戸夕果)
4, Flora(Gilberto Gil)
5, Garota de Ipanema(Antonio Carlos Jobim)
6, Clareana(Joyce Moreno)
7, Bebê(Hermeto Pascoal)
8, Avarandado(Caetano Veloso)
9, Sampa(Caetano Veloso)
10, Preciso aprender a ser só(Marcos Valle)
前作のオリジナルメンバーに、ブラジルのゲストを迎えての録音。日本で録音したアナログテープをリオに持ち込み、オーヴァーダヴィング。それまでセッションを幾度も重ね、フライベートな事まで話せる間柄となったJoyceの名曲2曲も、本当に素晴らしいレコーディングとなりました。
CASA(カーザ)
Toy'sFactory 1998年
Musicians
Yuka Kido(Flute, Alto Flute, Piccolo), 笹子重治(Guiar), 八尋洋一(Bass), 岡部洋一(Percussion), 向井滋春(Trombone),秋岡欧(Bandolim, 12 strings guitar)
収録曲
1, Baião da lua(城戸夕果)
2, Vermelha(城戸夕果)
3, I-NU(城戸夕果)
4, Perfil do sol(城戸夕果)
5, Perco essa!(笹子重治)
6, Tá tranqüilo?(城戸夕果)
7, Forró(城戸夕果)
8, No sonho(城戸夕果)
9, Aracuã(城戸夕果)
リーダー作としては、初めての日本録音。ブラジルから帰国後、日本の素晴らしい仲間と、日本発のブラジル音楽を創ることができた、記念すべきアルバム。
エンジニアの森本八十雄さんが、私たちミュージシャンと一緒に、愛情いっぱいに音作りをしてくださったおかげで、とても濃いアルバムになりました。
Aracuã (アラクアン)
Toy'sFactory 1996年
Musicians
Yuka Kido(Flute, Alto Flute, Piccolo), Filó Machado( Vocal, Guitar, Keyboards), Arismar do Espirito Santo(Bass), Carlos Bala(Drums), Lula Galvão(Guitar), Robertinho Silva(Percussion), Kazuo Yoshida(Percussion), João Coutinho(Keyboards)
収録曲
1, Baião do Porão(Filó Machado)
2, Forró na vovó(Filó Machado)
3, Bye-Bye(Filó Machado)
4, Confluência(城戸夕果)
5, Caminho da Liberdade
(城戸夕果)
6, Água viva(Filó Machado)
7, Aracuã(城戸夕果)
8, Pam Pam(Filó Machado)
9, Redenção(Johnny Alf)
Jobimにも影響を与えたボサノバの先駆者 、Jonny Alf。 彼のバンドのメンバーとして演奏できた経験は大切な宝物です。ある日、ジョニーとサンパウロの街を歩いていたら偶然にフィローが通りかかり、ジョニーから紹介されました。「素晴らしいミュージシャンだから、一緒に演ってみたらいいよ!」と言われ、早速リハーサルにお邪魔することに。
全身から音楽のオーラ溢れるフィローの演奏に、この人と何か創りたい!!との夢が実現した形アルバム。
ブラジルの大湿原パンタナルに楽器と録音機を持ち、夜明けに歌う鳥たち、真夜中に数万匹ものカエルの大合唱、莫大な水量を湛える雨季の滝の音 etc...と共に、大自然の中でのセッション。雨季、湿原での移動は馬かボートという、未経験の連続。(CDには、この自然の音も一部収録。)
リオに戻り、いずれもすごいミュージシャンたちとの録音。このアルバムの収録曲は、今でもライブでよく演奏します。
Rio Smiles
Toy'sFactory 1994年
Musicians
Yuka Kido(Flute, Alto Flute), Joyce Moreno(Vo, Guitar), Lula Galvão (Acoustic Guitar),
George Simas(Guitar, 7 Strings Guitar), Jota Moraes(Keyboard,Piano,Vibraphone),
Mozar Terra(Piano), Mauro Dinis(Cavaquinho), Zeca Assumpção(Bass), Adriano Giffoni(Bass)
Marcos Suzano(Percussion), Kazuo Yoshida(Percussion), Mingo Araujo(Percussion)
Ronald Alvarenga(Drums), Tutty Moreno(Percussion)
収録曲
1, Toqui-o(George Simas)
2,Rio Smiles(城戸夕果)
3, Violão Amigo (Joyce Moreno)
4, Papinho(城戸夕果)
5, A Rã (João Donato)
6, Choro de Implicante(城戸夕果)
7, Castelos de Brincadeira(城戸夕果)
8, Baião Chorão(Jota Moraes)
9, Azuis(Lula Galvão)
リオに住み、ショーロやサンバ漬けになっていた頃のアルバム。 リオの空気が伝わるように選曲をしました。
7弦ギターのGeorge Simasさんの家のRoda de Choroによくお邪魔し、温かく受け入れてもらえ本当に嬉しかった。 そして!Joyce Morenoさんに初めて参加頂いたアルバム。
ホベルト・メネスカルさんのスタジオで録音。 途中大雨で停電になり電気が全て落ちてしまいましたが、数時間みんなでゆったりおしゃべりしながら復旧を待っているうちに、ギターのLulaが「こういうハプニングがある録音は名盤になるよ!」と励ましてくれ、とても嬉しかったです。
refined..
Toy'sFactory 1994年
Musicians
Yuka Kido(Flute, Alto Flute), Niels-Henning Ørested Pedersen(Bass), Marilyn Mazur(Percussion), Ulf Wakenius(Guitar)
収録曲
1, Starlet(城戸夕果)
2, Pra machucar meu coração( Ary Barroso)
3, Love Theme From Spartacus(Alex North)
4, Groping After Light(城戸夕果)
5, Purple Beach(城戸夕果)
6, Loving You(城戸夕果)
7, Minha saudade(João Donato)
8, You’ve Got A Friend(Carol King)
9, Weeping Willow(城戸夕果)
10, Softly As In A Morning Sunrise(Sigmund Romberg)
デンマーク録音。午後3時には日没が始まる12月のコペンハーゲンは、おとぎの国のよう。
録音前日にペデルセンさんの家でリハーサルに伺った時のこと。語り合ううちに、ペデルセンさんが最近気に入っているというアルバムをかけてくれました。
なんと!(私も当時よく聴いていた)Gismontiの「Infancia」でした!名高いジャズのベーシストのブラジル音楽敬愛ぶりに、緊張が一気にほぐれたのを憶えています。
昔、映画館だったという大きなスタジオには、地元ペデルセンさんのお気に入りの定位置が存在。皆で輪になり(録音は1日で完了!)、素晴らしい偉人たちに胸をお借りしての録音です。
XUXU(シュシュ)
Toy'sFactory 1993年発売
Musicians
Yuka Kido(Flute, Alto Flute)
Lula Galvão (Acoustic Guitar)
Alex Carvalho(Electric Guitar)
Nico Assumpção (Bass)
Laudir De Oliveira (Percussion)
Ronaldo Alvarenga (Drums)
収録曲
1, starlet (城戸夕果)
2, flamengo (城戸夕果)
3, saudade(城戸夕果)
4, purple beach(城戸夕果)
5, manhã de carnaval (Luiz Bonfa)
長期リオに住んでいた初期のころの録音です。
今や超人気のギターのLulaが、当時ブラジリアからリオに居を移したばかりの頃で、何度もリハーサルをしつつ、色々なアイデアを出し合いながら作り上げた、思い出も懐かしいです。
伝説のベーシスト、Nicoの素晴らしい演奏。そしてアメリカで活躍していたLaudirのパーカッションは さすが!伝統のグルーヴに根ざしながらも、オリジナリティに溢れていて、感動の録音でした。